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四季の養生

養生とは、本来あるべき姿でいられるよう、健康の増進に心がけることです。


病気でもないのに、なぜか不調を感じる…ということはありませんか? 日本は春夏秋冬あるので、それぞれの季節に合った生活を送ることで自然な状態に心と身体を取り戻します。


国や環境が変われば養生の方法も変わります。 ○○が絶対良い!ということはありませんので、自分の環境に合う方法行ってみてください。


四季は陰と陽の二つの大きな季節があり、さらに一つの季節を前半と後半に分けると一年は八等分に分けられます。区切りとなるのが、春分・夏至・秋分・冬至で四季八節となります。 これは太陽の運行と人間の体内時計が自然のリズムになっています。


四季を理解し、自分に合った生活方法を実践していきましょう。 この知識が「易」で、天体を観察し、いつ種を撒くか、収穫するかなど自然の移ろいを知り把握してきた歴史があります。




「陽」の季節の過ごし方

春は2月・3月・4月を指し、冬に比べて日照時間が長くなるので新陳代謝も活発化します。まずは太陽の光を浴びることで体内時計が正常に動くようにします。 冬場は日光不足になるので、特に立春からの1ヶ月は積極的に光を浴びるようにしてみてください。


できるだけ就寝時間を早め、普段より睡眠時間を長く取るようにしましょう。そして太陽の光を浴びることで体内でセロトニンをつくり、日が暮れていくと共にメラトニンに変化します。このことにより睡眠の質が上がります。


そして新陳代謝を上げる為に水分をしっかり摂ります。日中はもちろんですが夜間も白湯、もしくは常温の水を飲むように意識しましょう。夜に水分が不足すると新陳代謝の妨げになるのでマメに摂ることを心掛けてみてください。春の水分量の目安は2リットル以上、それを1日の中でうまく摂ってみてください。


夏は5・6・7月を指し、夏至が陰の時期に切り替わるタイミングです。夏至はなるべくおとなしく過ごしましょう。この時期に食べるものと言えば「冬瓜」で、殆どが水分で出来ており、熱くなった身体を涼しくしてくれる効果があります。夏も中盤を越えると腎臓が疲れてきます。最近はどこが夏の終わりかわからないほど暑い日が続きますが、この時期から身体を労ってあげてください。


よっぽど冷え性でない限りは、スイカやキュウリなどの水分の多い食材を積極的に摂り熱を取り除きましょう。


余程の冷え性とは、お腹を触った際、おへそ周りが冷たく感じた方、もしくは触らなくてもお腹周りが冷やっとする感覚がある方です。腹部が冷えてる時は控えましょう。


夏野菜や果物で体内の熱を鎮火させ、暑いと汗をかき水分だけでなく体内のミネラルも失われるので、食材から水分を補うのが理想です。



陰の季節の過ごし方

秋は8・9・10月で収穫の時期、休養と充電を繰り返しエネルギーを内に内に収めていきます。


秋はイベントシーズンで「スポーツの秋」なんて言われたりしますが、秋は「静」と「動」で言えば「静」の季節です。気持ちを落ち着かせるのがこの時期の良い方法なので「芸術の秋」や「読書の秋」がおすすです。


身体を動かしたい時は、ヨガや太極拳など「静」のものが良いです。それも汗をかかない程度に控えめに行ってください。


秋分までは服装も汗をかかないように薄手のものや汗を吸う素材を選択したり、体温調節できるようにしましょう


気温が下がってくると自然と汗をかきにくくなるため、今度は余分な水分や老廃物を排出する、呼吸器官と排泄器官を活発化させる必要があります。辛味を摂り新陳代謝を上げることで、発汗と老廃物を排泄を積極的に行います。ただ辛いの好きな方は食べ過ぎ要注意!汗をかき過ぎないように、早秋までは「少なめに摂る」ということも大切です。


冬は11・12・1月で、冬の養生の基本は保温です。


立冬まではなるべくインナーなどを冬物して、アウターは薄着でマフラーや羽織もの、コートなどで調節できるようにしましょう。 立冬が冬の始まり、立冬後から寒さ対策を強化します。 寒さの対策をする際には玉ねぎのように重ね着をして、身体の周りに空気の層を作ります。


この時期は腎臓が冷えやすく、冷えると働きが悪くなります。 腎は生まれながらに生命力の宿る場所です。場所としては「腰」なので、腰回りを温めることを意識しましょう。


そして冬至はのんびり過ごしましょう。一年で最も昼の時間が短いこの日は、陰が一番極まる日であり、新しい一年の陽のパワーが生まれる日でもあります。ここから陽が長くなり春へのカウントダウンが始まります。


とはいえ、寒さのピークが高まる頃でもあるので、身体をしっかり温めながら春に備えましょう。



おわりに

いかがでしたでしょうか? 今回は四季に合わせ、水分補給したり、熱を放出したり、温めたり… 何か気合いを入れてやらなくても行えるものばかりです。 少しで良いので、季節の節目や変わり目を意識してみてください。


もちろん年間を通して行う養生もありますが、長くなるのでそちらはまた今度。


だんだんと四季感が薄れつつありますが、それでも気候に合った植物が自然と育ちます。自然のリズムに合わせた養生をできることからやってみてください。


 

SHIGYO KAORI

KAORI YOGA主宰

2021年よりスタジオオープンし、オンラインレッスン、YouTubeの動画配信など、場所や年齢関係なくどこでも気軽にヨガができるように活動中。

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