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丁寧な食事


「丁寧な食事」は、必ずしも手づくりで何品もご飯を作って完璧な食卓を目指すわけではありません。プレッシャーを感じずに食を見直してみましょう。


アーユルヴェーダでは、この世に存在する全てのものは 土、水、火、風、空の5つの自然のエネルギーでできていると考えられており、味覚にも5つの元素が組み合わさっていると言われています。


その5つから派生したのが人が持つ3種類のタイプのヴァータ(空元素・風元素)、ピッタ(火元素・水元素)、カパ(水元素・土元素)で、ドーシャと言われるものです。


この世の中全てのものにこういった自然のエネルギーが存在しているので、食べ物にもドーシャがあったり、季節や時間にもドーシャがあると考えられています。


用語は覚えなくても大丈夫です。 「こんな風に分けられるのね」程度に、頭の片隅に置きながら読んでいただければと思います。



食事のタイミング

最近、お腹が空いたのはいつですか? お腹が鳴る音聞きましたか?

「現代人は食べすぎ」なんてことを聞いたことある方もいるかもしれませんが、時間に追われて朝昼晩一定の時間がきたらご飯を食べている方は多いと思います。 もちろんお仕事の合間のタイミングで仕方なく決まった時間に…という方もいらっしゃると思いますが、その量本当に必要?と考えた事はありますか。


個人の消化能力と消化や代謝のサイクルがあります。


どんなに質が良く、栄養価の高い食事であっても、消化吸収が適切に行われなければ、食事の本質的な意味は失われてしまいます。


「アーユルヴェーダの食事」と検索すると、決まり事みたいな項目がいくつか出てきますが、ぎゅっとまとめてみたので意識できることから始めてみてください。


守りたいことは5つ


①食事は空腹時にする ②食べ過ぎも、食べなさ過ぎも避ける ③ながら食いをせず、食事を味わって美味しく食べる ④心地よくリラックスした環境で食べる ⑤出来たてを食べる


アーユルヴェーダでなくても当たり前のことのように感じますが、アーユルヴェーダではこれらが大事にされています。



食事で守りたいこと

①お腹と相談する

同じ時間帯に食事をする事は大事なことですが、お腹が空いてないのに「お昼になったから何か食べなきゃ」と食事をすると、胃の中に入った食べ物は、消化されず未消化物となります。 お腹が空いてない時は自分のお腹と相談して、食事を抜くことも大切です。


②適量を心がける

アーユルヴェーダの適量は腹7.5分目と言われており、胃に空白を残すことで消化しやすい状態をつくります。 自分にとっての適量は、両手のひらにおさまる量といわれているので、イメージとして持っておくことは大切だと思います。


③集中してゆっくり食べる

「ながら食事」や早食いは、情緒不安定や集中力低下を引き起こします。 1日の中で消化力が一番高まる昼食だけでも良いので、丁寧に20分ほどかけて食事し、栄養をしっかり吸収していきましょう。


④環境を整える

食事を摂る場所はまさか仕事用のデスクなんてことはないですよね。 騒がしいお店なども食事に集中できなければ良い環境とは言えません。もちろん、食事ではなくコミュニケーションを取るための食事であれば話は別ですが、それでもあまりおすすめはできません。 苦手な相手や苦手な空間など、どんな要素でもストレスを感じなから摂る食事は、消化時間がかなりかかり身体に負担となります。 食事をする場所はしっかり分けて五感で食事を楽しみましょう。


⑤できたての料理をいただく

鮮度が高く、作りたての食事はエネルギーに溢れ、身体と心を滋養してくれます。 できればその土地のもの、その季節のものが食べられると良いですが、まずは作り置きや保存食を控えてみることをおすすめします。 レンジでチンは便利ですが、アーユルヴェーダでは時間が経つと腐っていくと表現します。外食する際も、手づくりしているお店を選択することを心がけてみるのもおすすめです。 作り手の愛情が食事の質を変えるとされており、丹精込めて作られたお料理は消化にも良いと言われています。

※イライラした人が料理をすると塩辛くなるといわれてたりします


味覚を整える

最初に登場した5つの要素は味覚にもあります。


辛味=火・風の性質を持ち、体を温め発汗を促してくれます。 中肉中背、関節の柔らかいピッタ体質の方は火の要素を持っているので要注意です。 唐辛子や玉ねぎ、にんにく、生姜などが当てはまります。


甘味=地・水の性質を持ち、神経過敏を鎮め疲れを癒してくれます。 太りやすい性質のカパ体質の方は摂りすぎると肥満になるので要注意です。 蜂蜜や牛乳などが当てはまります。


苦味=風・空の性質を持ち、冷却作用があるため夏場や疲労におすすめです。 過剰摂取は頭痛やうつを引き起こすこともあるので要注意です。 緑黄色野菜、コーヒーなどが当てはまります。


酸味=地・火の性質を持ち、体を温めてくれます。 レモン、チーズ、ヨーグルトやトマトなど酸味の強い野菜・果物などです。


渋味=風・地の性質を持ち、安定感をもたらします。 体を冷やす効果があるため、痩せ型で華奢なヴァータ体質の方が過剰に摂ると便秘や不安感が強くなるので要注意です。 豆類やブロッコリーが当てはあります。


塩味=火と水の性質を持ち、体を温めたり、モチベーションを高めてくれたりします。 外食や加工品などで過剰に摂取すると、ほてりや高血圧を招きますので要注意です。 同じ塩味でも、岩塩などなるべく加工されていない自然なものを選ぶのがおすすめです。


これらの味覚を食事からしっかり感じられていますでしょうか。



最後に

最近食事に対してどのくらい意識していましたか? 意外と「なんとなく」、もしくは「ながら」、「時間だから」で食べていることが多いと思います。

身体を形成するための食事、難しいことは言いません。 ぜひ1食1食を楽しんで食べていただきたいと思います。

 

SHIGYO KAORI

KAORI YOGA主宰

2021年よりスタジオオープンし、オンラインレッスン、YouTubeの動画配信など、場所や年齢関係なくどこでも気軽にヨガができるように活動中。

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